美巳亜水(みみつぐみ)個展「母に憧れる少女、少女に憧れる母」が22日をもって、無事終了いたしました。お忙しい中、お越しくださった皆様、魂だけチェックインしてくださった皆様、本当にありがとうございました。
お仕事を調整してまで来てくださった方、小さいお子さんをなだめすかしながら来てくださった方や預けてまで来てくださった方、スキマ時間に立ち寄ってくださった方、、、この展示のために貴重な皆さまのお時間を割いて足を運んでくださったこと、本当に心から感謝しております。
私なんて、(くじけてしまって)行きたい展示やイベントにも行けないことが多々あるというのに……、、、
なんかもう皆さまの心意気には頭が上がりません……。
今回、4日間で70名ほどの方が足を運んでくださったようです。
多いのか少ないのかわかりませんが、会期中ギャラリーには私一人でおりましたので、お相手できるにはちょうどいい人数だったのかなと思います。もしかしたらできてないかもしれませんが。(汗)
今後はひとりで制作しつつ、他の作家さまやアーティストさま達とコラボレーションもしていきたいと思っておりますので、お気軽にお誘いいただければ嬉しいです……!
さて、今回の個展についてなのですが、10年ぶりに創作を再開し、にもかかわらずこのように作品をお披露目することができたのは本当にラッキーだったなと思います。
今回、30号の平面作品を3枚メインで展示いたしましたが、学生時代もそのくらいの大きさで描いた記憶がありません(笑)
卒業制作は100号でしたが、仕上がらなかった覚えがあります。(よく卒業できたな……)
私は大学生のときも絵本のような小さい作品ばかり作っていたので、教授に「大きいのも描いてみてよ」と言われていましたが、無視して小品ばかりを作っていました。
ところが、2016年に卒業した絵本の学校の恩師にも「大きい作品描きなよ」と言われてしまい、これは越えねばいけない課題なのだなと感じ、今回30号3枚に取り組みました。
本当は100号を描いたら? と言われていましたが、1枚の絵で言いたいことを言うのが到底できるとは思えず数ページにわたり表現できる絵本を作っておりましたので、平面作品でも3枚に分けて作品テーマである「母性と少女性」を表現することにいたしました。
ギャラリーの壁には、少女頭の芋虫に挟まれて、ポピーの花束を抱えた一人の女性を配置しました。
(画質が悪くてすみません……)
私の定義する「少女性」とは、「生理のない女性」。つまり、初潮前と閉経後の女性を指します。
少女頭の芋虫は対になっており、宇宙の始まりと終わりを表す「阿吽」を示します。
そして、右の少女の頭頂には満ちてゆく上弦の月、左の少女の頭頂には欠けてゆく下弦の月が描かれています。
真ん中の女性は、妊娠の可能性のある、あるいは妊娠している女性です。
私の定義する「母性」とは、生殖のプログラムが動いているということ。精神性のことでは決してありません。
(ただ、精神は肉体に宿りますので、感情や思考がプログラムに左右されているのは間違いないのですが。)
これは別の記事でも書こうと思いますが、自身の体験からそのように感じています。
この「母性」を表す一枚の中には、初めて生理がきて“びっくりした”、妊娠して“びっくりした”、お腹が前に出てくるは、中で動くモノはいるは、陣痛の凄まじい痛みに襲われるは、赤子は押し出されるは母乳は出るわで“びっくりした”という、本当に女っていうのは驚きの体験の連続だよっていうことを描きました。
このポピーはお腹から生えてるんです。自分の意思とは関係なく、何かプログラムが自動的に走っている。子宮を中心に放出されるエネルギーに戸惑う、そんな感覚をなんとか絵で表現したいと思いました。
というわけで、この三枚の絵で、女性の一生を描いてみました。
少女から始まり、母になり、また少女に戻る。
母は、少女を経験していますから、少女を内包している存在とも言えます。
そう、すべての女性が、少女なのです。
私は、私の作品を通して、すべての女性の中にいる少女の存在に気づいてほしいのかもしれません。
あなたの中の少女は、どんな事をあなたに語りかけてきますか?